4/19


JAL407便で成田からフランクフルトに向けて出発である。箏・ギター・機材類など私達の荷物は膨大で、とても二人きりのフライトとは思えない大荷物である。心配していた出国手続きもスムーズに終了し、最後まで心配だったギターに関しても、難なく機内持込が許可され一安心である。

同日pm6:00にフランクフルトに無事到着。日本とは明らかに違う乾燥した空気を肌で感じ、「ドイツにやって来たんだ」という感動が波のように押し寄せてくる。AKIKUNIKO結成3年目にして実現した、念願の「AKIKUNIKOドイツツアー」の幕開けである。

さて、空港には22日の公演主催者である、日独協会のPeter Johannsenさんと助手のハンナさん迎えに来てくれていた。ヨハンセンさんは日本語が堪能でつい3週間ほど前に日本に行っていたということ。彼とは初対面であるがすっかり意気投合し、不安な気持があっという間に吹き飛んでしまった。

最初のコンサート地であるHeidelberg ‘古城と大学の街’。街には学生達が溢れている。

中でもハイデルベルク大学はドイツ最古の大学としてその名を轟かせている。そして街の中心を静かにゆっくりと流れるネッカー川。それらを一望する小高い山の上に立つハイデルベルク城。これらが街のシンボルであり、日本人に大変人気のある街である。

コンサート会場はSRHという広大な大学の敷地内にある「LIBERTY」というスペース。会場を軽く下見し打ち合わせ。その後3人で夕食に街へくりだした。「一番ドイツらしいところに連れて行くよ!」とヨハンセンさん。地元の人が集うビアホールへ連れて行ってくれた。スゴイ熱気、ビールが無茶苦茶美味い!ツアーの成功を祈り乾杯。「プロ−スト〜!!」

,
4/20
今日から3日間は、公演会場に併設されたゲストハウスに滞在する。
.
4/22

いよいよAKI&KUNIKOの初の海外での公演日だ!!

朝、久仁子と共にSRHのキャンパス内をジョギング

早く演奏したい!!という気持と、チョッとした緊張感が交叉し、精神集中すべく目をつぶると浅い眠りについた。

pm2:00、HeidelbergStuttgartの2公演の音響をサポートしてくれるドイツのアンプメーカーAER社のスタッフが到着。

着々とステージが出来上がっていく。

サウンドチェックはとてもスムーズに進んだ。

短時間で私達の音楽を理解し、ミュージシャンが何を望んでいるのかを素早く察知し最高の状態を作り上げる・・・ドイツでのPAテクニックの水準の高さを痛感した。

pm9:00(ドイツではだいたいこのくらいからが通常のようだ)会場の照明が落ち、約200名のお客さんが見つめる中、いよいよAKI&KUNIKOの登場だ!!

1曲目は、新曲「Over The Top」楽器を持ち、久仁子と目が合いスーっと曲の中に入っていく・・・自分でも不思議なミステリアスな瞬間である。

久仁子は始めから飛ばしている。もう止まらない!!

曲が終わった瞬間「オー!!」という歓声がこだまする。

音楽が国境を越えた瞬間である。

この日のセットは2部せいで、2部では、着物での演奏〜ソロコーナー〜胡弓、等を経て、「HA」「TRUST」のクライマックスへと突入する。

ドイツのお客さんと完全に一体化し、演奏もこれまで以上に盛り上っている。

楽しい!!コレが音楽だ!!

拍手が鳴り止まない・・・

アンコールは着物をはおり、もう一度「Over The Top

CDも、この日だけで持ってきた分すべて売れてしまった。あわててAcousticMusicRecordsに追加注文を入れる。嬉しい悲鳴である。

AKI&KUNIKOの海外での第一歩は素晴らしい夜でした。

ビールがうまい!!

.
4/23〜27

22日の公演から、ローデンブルグ〜ミュンヘンなどを観光し、中世のヨーロッパを満喫、待ちに待った海外第二弾である。

というのも私達は観光に向いていない人種なのかもしれない。

やはりライブをしているのが一番疲れない!!

今日の公演は、在Stuttgart日本名誉領事館の主催で、館長のアルガイヤーさんとは東京のライブハウスで偶然演奏を見ていただき意気投合・・今回の公演が実現した。

公演会場は、LBBWという大きな銀行の所有するホール

pm4:00サウンドチェック開始

AER社のサポートで問題無く進んだ。

pm7:00の開演まで楽屋で久仁子と過ごす。

時間と共に緊張感が増してくる。

場所や大きさにかかわらず演奏前は緊張するのが常なのである。

pm7:00 5分ほどおして会場のライトが落ち、ドイツ語でのAKI&KUNIKOの紹介が始まり、舞台の袖で待機する。

そして、いよいよショーの始まりだ!!

この日のお客さんは約250名

もちろん殆どがドイツ人

いつものように、久仁子と目が合い緊張感など吹っ飛び弦と絃が絡み合っていく。

途中、覚えたてのドイツ語「ツヴァイ ビア ビッテ」(ビ−ルを2杯ください)を、久仁子は1から10までをドイツ語で披露し会場を沸かせるなど、Stuttgartのお客さんの心をとらえていく。

クライマックスの「HA」では燃えに燃えた。

徐々に激しく、ピークに向かっていく演奏に会場の空気は一体化しこの上ないトランス感が・・・・

約10分の熱演の後、拍手が鳴り止まない。

「やった!!これって成功だよね!!」

拍手は、やがてアンコールへ・・・

着物をはおり、ステージへ戻る。

すごい拍手・・・そして笑顔&笑顔

アンコール曲は「TRUST

熱く熱く燃えた夜でした。

鳴り止まない拍手にカンパイ!!

.
4/29

今日からPeterFingerとのツアーだ!!

心が躍る

というのも、アコギを弾きだしたのはPeterCDがきっかけで、私の中ではELVIS以上のアイドル?なのです。

前日に、マインツのホテルに入りPeterを待つ。

Pm2:00、Peterがホテルに到着。

出演者のRichardSmithUSA)・TrioEscolaso(アルゼンチン)を紹介してもらう。

今日から4日間、PeterFingerFriendsと題したギターフェスティバルで一緒に演奏する仲間である。

今晩の会場は、SWRというラジオ局のステージである。

Pm4:30からサウンドチェック

ステージ上に惜しげも無く並ぶ高級マイクに圧倒される。

「これならマイクだけでOKかも・・・」

私達以外は全員マイクオンリーでの演奏である。

私達も、ほとんどマイクで薄くPUを足すセッティングでサウンドチェックを終了する。

Pm7:00、満員に膨れ上がった会場のステージにPeterが登場。

最近出来上がったという自作のギターでの超絶な演奏に会場はヒートアップ!!

ドイツ語でのMCでは、会場を笑いのるつぼにするなど、エンターテイナーぶりを発揮していた。

私達は3番手の出演だった。

持ち時間は、全員30分。

曲は2曲にしぼり、インプロ長めのイケイケで行くことに決めた!!

ここでも拍手が鳴り止まない。

楽屋に戻ると、Peterが「GREAT!!」と言って握手を求めてきた。

嬉しかった!!

他の出演者からも握手を求められ、チョッとした充実感が心地いい。

公演後、多くのお客さんが握手を求めてきた。

「初めて聞く音楽だ!!とても良かった」

ドイツ語で「Unerhortesウナホーテス」と言うそうです。

またまた、ビールがうまい!!

.
4/30

マインツのホテルからワゴンに乗りEDENKOBENというワインで有名な町に向かう。

EDENKOBENに近づいてくるといたるところにフェスティバルのポスターが貼られている。

別世界のような空間、見渡す限り続くブドウ畑・・・EDENKOBENは夢のような町

今日と明日この町で演奏するのである。

今日の会場は、町中にある立派な会場である。

Pm8:00開演

満員である

まずはPeterの演奏。もちろんスゴイ!!

演奏後Peterが出演者を紹介しながらフェスティバルは進んでいく。

それぞれの国のカラーが音楽にも出ていて、お客さんも本当に楽しんでいる。

休憩中には、ワインを飲み

リラックスした雰囲気の中、久仁子が着物をはおり、そして私はいつものTシャツでAKI&KUNIKOの登場である。

一曲目の「Over The Top」で久仁子は着物をかなぐり捨て、荒業の連発!!

最後の「HA」では、ギターの弦が切れたが、こことぞばかり弦を引きちぎり、かまわずに演奏した。

拍手が鳴り止まない。

今日も燃えたぜ!!

..
5/1

今日は、AM11:00からの休日の日中のライブである。

Peterから、昨日のお客さんも多数来るので、曲目をちょっと変えて演奏して欲しいと皆に伝えられた。

今日のセットは、1曲目は「春の海」をAKI&KUNIKO流にアレンジしたもの、そして胡弓を用いた新曲「情熱の国」などを加え、最後は「TRUST」でいこうと決めた。

午前11時前だと言うのに、立見が出るほどのお客さんがすでに今か今かとフェスティバルの開始を待っている。

トップバッターのPeterのギターは、いつもにまして本当にいい音をしている。

空気が程よく乾燥していて、音がスーと響いていく。

ヨーロッパの音だなあ〜

今日の私達のステージは、昨日聞いてくれた人も多かったせいか、始めからとてもフレンドリーで、一曲ごとにアンコール並みの拍手だった。

日中の演奏で、お客さんの顔もよく見え、音楽を通してコミュニケーション、そして一緒に楽しめた感じです。

CDも最終日を待たずして、この日で完売してしまった。

ライブの後、EDENKOBENでの自由な時間

自然の中でPeterがギターを弾いている。

ギターの音が空気とマッチしているなあ〜

リラックスした、ドイツの休日

なんか映画の中みたいだなあ〜

今日はゆっくりしよう!!

..
5/2

今日はベルリンでの最終公演だ!!

ベルリンまで約5時間、電車での移動

会場は、Rheinland-Pfalz in Berlin という大変立派なビルの1Fにある素敵なホール。

ロビーでは、EDENKOBEN産の美味しいワインがふるまわれ早くから熱気に溢れている。

フェスティバルの最終日ということもあり出演者達も気合が入っているようだ。

ステージの後ろはガラス張りになっていて、時間が経つにつれ夜景が美しい。

Peterの素晴らしい演奏。

そして、アルゼンチンのTrioEscolaso

普段はとても陽気な3人の若者達だが、とてもクラシカルでテクニカルな演奏を披露していた。

この後、ブレイクタイムが入り、お客さんはワインを飲みながら閑談している。

まるで映画の一場面のようだ・・・

アナウンスが入り、いよいよ後半スタート・・・AKI&KUNIKOの登場である。

今回のドイツツアー最後のステージということもあり、気合が入った。

最前席には、ワインの女王様やVIPと思われる人が座っていて、いつもよりフォーマルな空気に包まれていた。

今まで聞いたことのない音楽に、身を乗り出し、体を動かし、そして一体感が会場中を包んでいった。

ここでも、拍手は鳴り止まないほどだった。

本当に音楽は楽しい!!

そしてトリは、アメリカのRichardSmith

奥さんのジュリーさんのチェロとギターとのユニットでの参加だ。

RichardSmithの演奏は超超絶で、間違いなく世界最高峰のパフォーマンスだった。

日本でも、とても演奏したがっていたので、近いうちにそのプレイを皆さんも見ることが出来そうである。

お客さんの満足した笑顔・・・本当に素晴らしいフェスティバルだった。

ドイツのブドウ畑、お客さんの笑顔、鳴り止まない拍手。

このようなチャンスをくれたPeterFinger

そして私達の公演を企画、制作していただいた、アルガイヤーさん、ヨハンセンさん、そして今回のツアーにかかわった全ての方に「ありがとう!!!!!」

次回のドイツ公演を約束して、1時日本に帰国する。

5/22から国際交流基金の主催でカリブ〜中米でのツアーだ!!

なんか世界を又にかけているという感じだね。

ガンバルという言葉はキライだがガンバロウっと。

.